その世界で幸せそうな『和菓子のアン』

初心者さんにおすすめ

和菓子大好きな、応援したくなっちゃう幸せ笑顔の女の子が、デパートの和菓子屋で働く。

謎を持つお客様と彼女を見守る同僚と、美味しい和菓子のお話。

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この世界で

この世界で、あなたの周りにはどんな人がいるだろうか

子供の頃は自分の意志とは関係なく

親から用意されるもの

学生になれば、

囲まれた固定概念の中で過ごす

自分はいつまでもあの標準の世界で

優れている 優れていない

できる できない

好かれている 好かれていない

可愛い 可愛くない

目立つ 目立たない

標準よりプラスか、マイナスか

ある限定された項目で評価に晒される

それは大体多くの人の持つ共通認識として存在する

その誰もがきっと確認する事なく

共通認識として存在すると思っている

そこから解放されたら

今度は コミュニティを自分で探さなければ

どこにも存在しない

学生を卒業すると

全ての選択肢は宙に浮き

手を伸ばさなければ 何も手に入らない

家族に所属するか

もしくは職場に所属するかしないかさえ

自分で選択しなければならない

『和菓子のアン』

彼女は和菓子大好きぽっちゃりさん

とても好感のもてる女の子

そしてなにせ 和菓子を食べる時のあの幸せそうな顔

あの顔を見て にやけない人がいるだろうか

けれど 彼女は自分のよさを

これっぽっちもわかってない

彼女が幸せな気分でいることが周りを幸せな気分でいることが

周りを幸せな気持ちにさせる

なんて素晴らしい魅力

けれど 彼女は見た目のぽっちゃりの方を気にしちゃって

全然自信がない

どうして気付かないのかな?自分の良さに。

そう周りがヤキモキする

 

きっと彼女は所属するコミュニティーが合わなかったんだ

けれど、この度デパート地下の和菓子屋さんに所属する

ここにはすてきな上司とすてきな同僚

キラキラさんじゃないけれど ちょっと変わってるけれど、

それぞれじぶんの軸を持っていて

きちんと彼女を認めている。

そんなコミュニティーの中で彼女は愛されている

和菓子を買いに来るお客様

それぞれのお客様の背景と和菓子の謎をといていきます。

誰も自分のいる場所が違えば

こんなにも愛されるんだ

こんなにも誰に囲まれて生きるかって

大切なんだなぁとそんな事を実感してしまう。

なんせ坂木司さんの作品はキャラクターがいい

気をてらってなくて、どこかにいそうなんだけど

愛してしまって、応援して支えたくなる自分がいる。

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